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ステップバンとは?

ステップバンとは?

あまりに早すぎたデビュー、生産終了後に人気に!

1972年(昭和47年)9月に発売されたホンダの軽自動車、ステップバンは正式には
「ホンダ・ライフ・ステップバン」といいます。ステップバン発表の前年春に発売
された軽自動車ホンダ・ライフの派生車種です。

1970年からこの72年までにホンダは矢継ぎ早にユニークな新型車をリリースしまし
た。N360の後継車「NⅢ」、オープン軽トラック「バモス・ホンダ」、空冷高出力
エンジンを搭載した「ホンダ1300クーペ」、軽のクーペ「ホンダZ」、そして「シ
ビック」などです。

ステップバン

ステップバンは1972年7月に颯爽とデビューした旗艦車種となる新型シビックの翌
月に発売されました。
ライフの派生車種なのでプラットフォームは当然ながら同一。そこに4ドア+上下
2分割式リアゲートを持ったトールワゴンボディを架装したユニークなモデルです。

エクステリアは四角い“箱”ですが、1.3ボックスとでも表現できそうな、可愛らし
さに溢れた短いノーズがポイントです。さらにこの時代のクルマとしては稀少な
ドアミラーを採用しています。加えて、右運転席ドアと左リアドア、そして左助
手席ドアと右リアドアは、サッシ&ドアハンドル以外同じ形状なのもユニークな
ポイントです。

インテリアも斬新です。特にダッシュボートは運転席から助手席まで一体となっ
た机のように広いトレーのような形状で、そのセンターにメーターを配置してい
ます。フロントシートはリクライニング機構付きのセパレート式、床から4速マ
ニュアルのフロアシフトが生えています。リアシートは一体可倒式で、荷室を簡
単に広げることができました。

ちなみに、ステップバンのテレビCMには、パン屋さんが長いフランスパンを配送
するシーンが収められていました。

このステップバンは商用車として発売されましたが、ライバルと大きく異なって
いたのはFF車(前輪駆動)だったことです。多くの商用軽ワンボックスがRR(リ
アエンジン・リアドライブ)を採用して、可能な限り荷室全長を確保していまし
た。が、短いノーズを持ったステップワゴンの荷室寸法は、その分だけ短かった
のです。

結果、営業的にはあまりいい成績を収められず、僅か2年後の1974年に生産を終
えています。

しかし、生産終了後に人気に火が付きます。中古車になって市場に出たステップ
ワゴンは財布の軽い若者たちの多目的レジャーカー(今ならRVといった使い方)
として恰好の素材になったのです。

いま、このステップワゴンを見ると、現在の軽自動車の主流、ワゴンRなどのトー
ルワゴンの先駆けだったことが分かりますね。

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