あなたは信号待ちで全く同じ車に並ばれたとき、どう思われるだろうか。
色々な反応があると思うが、私はそういう景色はあまり好きではない。
そういう私のような考えの人は少数かもしれない。
しかし同じように考える人は必ずいる。
そう考えて私は「たった一台の車」を作ろうと決めた。
さて「たった一台の車」と言うのは簡単だが、
はたして「たった一台の車」とは、どういう車のことを指すのだろうか。
それは人によって違うから、答えは一つではない。
しかし一つだけ言えることがある。
“永く愛着を持てる車”こそが「たった一台の車」ではないだろうか。
そして“永く愛着を持って乗る車”=“時代を問わず飽きない愛される車”と考え、
月並みだが「レトロ」に行き着いた。
もちろん“レトロ”にこだわる必要はないが、
私たちは一般的に“レトロ”と呼ばれているデザインの車が
最も飽きがこず、永く乗っていただける車だと思っている。
最近では、私たちの車の形をそのまま真似する会社も現れてきた。
そうした会社が出てきたということに、いささかの怒りもないことはない。
しかし真似する会社が現れたということは、
私たちが、ゼロからこうしたジャンルを築いたことが認知されたことだ。
すなわち私たちがやってきた方向が支持をされているという証拠だろう。
だから真似する会社に腹が立たないわけではないが、それは私たちにとって勲章
でもあると考えている。
さらにもう一つ重要なことがある。
真似する会社が現れたことで競争が生まれるということだ。
競争が生まれるということは、さらにお客様に提供する商品を良くせざるを得ない。
それはお客様にとっては良いことであり、
また私たちがプロとして、より高いレベルを目指して腕を磨くためにも良いことだ。
これからも私たちは“たった一台”の車を作っていく。
私たちが最初に感じた「同じ車は嫌だ」という気持ちを共有する方々のために。
株式会社モデスト
代表 田中 伸幸