>完成までのステップ
こちらが部品を成形するための「型」となります。
元々の原型のマスターモデルが最も重要ですが、量産していく上でその次に大事なのが「成形型」となります。
マスターモデルの制作秘話
マスターモデルをとことんまで作り込むことが何よりも重要です。
その後の「成形型」をいくら丁寧に作ってもフォローはできません。
そしてこの「成形型」の制作がきちんとできていないと実際の制作でいくら頑張っても良いものはできません。
本来でしたら一品一品オリジナルでその都度造形物を作っていくのが理想です。
しかし毎回毎回一品物として制作していきますと、時間がかかりすぎ、その分莫大な料金として跳ね返ってしまいます。またどこか破損した場合、その部品だけをまた一から制作しないといけなくなりますし、一品ものですので前回とまったく同じものを作るのは難しいかもしれません。
そういったことを解決してくれるのがFRPとなります。
FRP製品とは樹脂にガラス繊維を加えることにより強度を高めたものです。
FRP(繊維強化プラスチック Fiber Reinforced Plastics) 金属材料よりも比強度が大きく、軽いことが特徴です。
「成形型」は堅牢性と作業性の両方が求められます。
「型」が簡単に歪んだり、劣化するようですとそれが全て製品に表れてしまうからです。
「型」から製品が脱型しやすいようにワックスを塗ります。
ワックスの残りカスやゴミが入らないようにきれいに拭き取りをします。
ガラス繊維と樹脂を積層していきます。
こちらも全て手作業にて行います。
ローラーを転がし丁寧に脱泡していきます。
根気よくやっていかないと製品の中にエア(空気)が入りピンホール(気泡)の原因となります。
余分なものなどをカットしていきます。
車種それぞれに合わせて部品は制作しております。
車輌に取り付ける為の穴なども開けていきます。
最終のチェックです。
FRP部品は「半製品」といったかたちですが、後の作業者の負担をいかに減らせるかを考えています。
鈑金・塗装の段階である程度フォローはできますが限界もありますし、部品の修正で労力をとられて肝心の車輌の制作がおろそかにならないようにしています。
FRP製品の良し悪しによって鈑金塗装工賃が違うのは当然のことと言えます。
不用な部品を取り外します。
フレームなど骨格となる部分はそのままです。外したり、切断などはしません。
リア回りも不用な箇所、塗装するのに邪魔となる部品を取り外します。
自社制作した部品を仮合わせします。
車体も個体差がありますし、部品のほうもFRPという材質、手作業による制作という特性上個体差がございます。
毎回念の為、仮合わせは行っておりますが、ほぼまったく何もなく、次の作業に入っていきます。
部品を塗装する準備をします。
細かなキズをつけて、塗料がのりやすいようにしていきます。
ピンホール(気泡)などを見つければ、必要に応じパテで埋めていきます。
ボディも塗料がのりやすいよう同様に細かなキズをつけていきます。
部品だけ塗装してもメーカーの組み立てラインで塗装されたものとは違って見えます。
色の違いがわからないようにボディも塗装し、途中からぼかしていきます。
一般の方が見れば、まったくの同一に近く仕上がります。
塗装します。
2色、3色使用する箇所は1色塗装してから、乾燥後マスキングをして、次の色を塗装。
さらに乾燥後次の色と、塗装していきます。
塗装後チリなど余分なものが紛れていれば、除去してから磨いていきます。
燈火類の作動チェックを行います。
燈火類はなるべくアッセンブリにして、接触不良などが起こりづらい工夫をしています。
この車輌はボディ同色でなおかつ車体に鈑金が必要なかったので制作の工程は少ないです。
全塗装の場合はできるだけパーツを取り外してから塗装します。
ひとまず完成です。
この後は最終チェック、清掃、テスト走行などを行って完了となります。
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