ピコット開発秘話
ピコットは2007年1月の東京オートサロンにて発表しました。
通常はデザインがあり、そのデザインに合った車輌を見つけて制作しますが、DA64
エブリィは「エブリィで何かを作りたい」というところから制作がスタートしました。
実際に不用な部品を取外し、どのようなものが作れそうか、何がネックになるか、
どうやったらお客様が喜んでいただけるようなデザインになるか検討していきます。
グリル位置に横に太いフレーム(黄色い枠の中のもの)が入っている為、ライトはここに
収められない→フレームが邪魔になる為、ライト位置を高く
このフレームをとってしまえば、ライトが収まるのですが、想像していただければおわかり
になると思いますが、ラジエータが剥き出しになります。
当然ですが、ぶつかったときにことも考慮しています。
このフレームがない改造車を見かけますが、大丈夫なのでしょうか?
そびえ立つ壁のような縦長のこの顔をいかに横長に見せるか?
→その為にボンネットを純正のボンネット位置より低くなるように
上記のような方向性のもと、デザイン的に初めにインスパイアされたのは、ベンツの
トランスポーターのミニカーの画像です。
最終的にはフェンダーとフェイス、ボンネットとフェイスの段々とふくらんだデザインにも
踏襲されています
制約が多かったですが、少しは段々になっているのがおわかり頂けますでしょうか。
フェンダーから前の何十センチで立体的な表現をするのは中々厳しかったです。
こういった雰囲気で旧車っぽく最終的にモチーフになったのはスズキのスズライトです。
だいたいお話ししても通じませんので、「ヨーロッパの旧車風」ということでごまかして
います。
たまに「これスズライトですよね」とおっしゃって頂ける方がいらっしゃいますが、かなり
マニアックですが嬉しいです。
先程のそびえ立つ縦長の顔を横長に見せる為に、ボンネットを下げただけではなく地上高を
上げています。
エブリィ純正より高い位置にピコットの顔はあります。
段差、坂道、雪道に強いことに寄与しています。
上記の白い製品は型から出てきた一発目のものです。
フィッティングのチェック中の写真です。
作業的にはさかのぼりますが、造形用の粘土のようなものでデザインしているところです。
マスターモデルが完成しましたら、このモデルを元に「成形『型』」を制作していきます。
その『型』を使用して部品を量産していきます。
イメージを膨らませるためにボディをペイントしたあと、ビレットグリルの試作品を合わせて、
全体のバランスとおかしくないか確認しているところです。
このような工程を経て商品は産み出されております。
どのような感想を持たれたかはわかりませんが、結構地味な作業です。