パイク開発秘話 アルトをレトロ風に
パイクが誕生したのは2005年(平成17年)。
発表はその年に開催された東京オートギャラリー2005。その翌年には東京オートサロン2006にも出展しています。
モチーフとなったはご存じ日産パオです。
通常はデザインが先にあって、そのデザインにあるベース車を探すという風に制作しております。
ライトがボンネットに埋め込まれるようなデザインが特徴の車ですが、こういったデザインにできる車が中々ありませんでした。
「パオ風の車が作りたい」とずっと思っていた矢先にスズキ自動車よりアルトがモデルチェンジして出されました。
車のカタログを見た瞬間!やっと作れる!と思いました。
当時はアルト「スキップ」というサブネームが付いていましたがいつの間にかなくなりましたね。
アルトを借りてきて、不要なものを取り外し実際に制作できる目途がたってから新車を購入しました。
モデルチェンジして流線型になってしまったアルトですが、この当時のアルトはAピラーも立っていて「レトロ風」な車輛を作るのに向いていましたね。
良い商品が産まれるかどうかは「運」も必要です。
ウレタンブロックを取り付け、あらかたの形、ライト、ウィンカー、グリルの位置を決めていきます。
ほぼ完成形のデザインができたら、全体を均一に削っていきます。
一回り小さくするイメージです。
その後削り易く、加工しやすい材料を盛っていき、元のデザインの大きさまで削っていきます。
言葉で書くとすぐですが、どのような工程か想像できるかと思います。
ほぼこれで完成です。
こちらがマスターモデルとなります。
このマスターモデルが良くなければ、その後の成形型、成形、塗装でどう頑張っても良い商品はできません。
地味な作業です。
アルトのリアビューもなるべく「」キュッ」と上がったお尻にしたかったです。
グリルに付いているエンブレムも鋳物で作りました。
樹脂にメッキしたもののほうが均一な商品ができるのですが、あえて武骨で雑な感じの「鋳物」でレトロ感を醸し出しています。
テールレンズも一灯、一灯独立したものにしたかったのですがコスト面から断念しました。
リアハッチも本物のパオを意識して小窓が開きそうなダミーヒンジを採用。
「型」から出た一発目の製品でフィッティングの確認をしているところです。
このようにしてパイクは産み出されました。
パイクはモデストのオリジナル商品です。
粗悪なコピー商品にご注意下さい。