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シトロエンバスとは?

シトロエンバスとは?

とにかくユニークなクルマ作りの名手が作った可愛いトラック

シトロエンはご存じのとおりフランスを代表する自動車メーカーです。歴史的に見てもユニークなクルマを作ってきた会社で、独特で独創的なメカニズムを開発してきました。

ここで紹介するシトロエンHトラックもユニークなモデルです。日本では「シトロエン・バス」という愛称でも呼ばれていますが、これは同じ頃に人気があったVW(フォルクスワーゲン)タイプ2がワーゲン・バスと呼ばれていたことと同じ現象かもしれません。

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このHトラック、本国フランスでは1947年から1981年まで販売されていたモデルで、同社の乗用車2CVとともに長く愛されたクルマです。トラックという名称は1970年代に日本に輸入した会社が日本語のカタログで「トラック」という名称を使ったためで、実際には大きな荷室をもった“貨物車/バン”です。
フランスでは「Le Citroën Type H」──つまり、タイプHだったからですね。

まず、外観。とにかくユニークですね。外板はほとんど波板トタンのように波打った鋼板で構成。運転席は真四角で背が高い“箱(荷室)”に繋がっています。ドアは発売当初は乗降性を優先して後ヒンジ式でしたが、1968年に安全性を考えて前ヒンジに変更されています。ヘッドライトは前述の2CVの流用で、可愛らしいアクセントになっています。

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駆動方式は貨物車としては稀なFF(前輪駆動)方式です。これが荷室のアレンジ&架装(改造)性の高さとなり、貨物車以外のさまざまな用途に使われました。車体の長さは3種あり、それぞれ使いやすさを考慮してマイクロバスやキャンパー、救急車や現金輸送車などになってヨーロッパ中を走り回っていました。

日本には60年代後半から70年代中盤にかけて輸入され、合計200台(個人輸入車などは含まない)ほどのモデルが上陸したと記録されています。
日本でもユニークなエクステリアと荷室スペースを活かした使い方が主流でした。原宿あたりの屋台風クレープ屋、移動販売車などに使われた例が多いようです。70年代中盤から急成長した人気のレディス・アパレル企業(今は既に無いブランドなので、敢えてここで名称には触れません)が、自社製品の納品車として、このHトラックをオリジナルペイントして使っていました。

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