


南 美恵子さん(37歳)
京都生まれ 石川県育ち 北陸の古都 金沢市の郊外で、お花屋さん「SnowDrop」を営業中。
20代始めに花屋の仕事に魅了され、9年間の店員生活の後、2004年に今のお店をオープン。
店名のSnowDrop(雪の滴)とは、1月の真冬に咲く、春を知らせる花の名前。
大変なことがあっても、SnowDropが咲けば、やがて希望が訪れるという願いをこめた名前です。
南さんの愛車の紹介
そんな暗い空の下なのに、走っている車の色までが、みんな白や黒やシルバーとかばかりで、
どうして、クルマってどれも現実的なんだろうかと思って、私はやっぱり自分の好きな色にこだわろうと思いました。
ダンナには、何で燃費とかそういうことにもっと注目しないのかとおこられちゃうんですけど(笑)」

「小物の色もなるべく統一しました。キーだけはカエルなんですけど(笑)
あ、車検マークがピンクなのは偶然です」







「だって、カラフルなクルマの方が、運転してて楽しいですし」

「ピコットはSnowDropのお店グルマなので、後部には配達や仕入のときに、花や道具を積み込みます。金沢は豪雪地帯なので、後ろの扉は、観音開きより、跳ね上げ式の方が、雪よけになってくれるから良いです。」

「配達の時にはこんなふうです。」

「仕入の時にはこんな風に詰め込みます。お仕事グルマなので、『たくさん積める』という実用性はだいじです」

「ピコットは運転席が高いので、視界がひらけて、運転しやすいです」

「運転席もラベンダー調にしました」
「お店グルマとして毎日、大活躍です!」
― いま、ピコットはどのようにお使いですか。
ピコットは、花の配達や、花卉(かき)市場への仕入など、SnowDropのお店グルマとして、毎日、愛用しています。色や形もお店のイメージに合わせて選びました。お客様には「かわいいクルマですね」と注目していただけることもあるんですよ。うれしいです!
「色だけは妥協したくなかったです〜」
― このクルマでの、南さんのこだわりポイントはどこですか。
車体の色にはこだわりました。わたし、フランスが大好きで、パリのお花屋さんの写真集とか見て、いいな〜と憧れてしまうのですが、そんな写真集で使われているのが、このラベンダーというか、ピンク寄りの薄紫なんです。最近は、店内装飾にも、この色を使っていますし、今回のピコットも、絶対にこの薄紫にしたいと思いました。
この色は、薄さ加減やピンクさ加減がだいじなところで、そこを一歩間違えると、けばけばしい紫になってしまいます。その微妙な色かげんを、いったいモデストさんにどう伝えたらいいのだろうと悩みましたが、そんなある日、雑貨店で見かけたマグカップの色が、「これだ!」と思える色だったので、それを2個、買い求めて、モデストさんに送付して、「この色でお願いします」と伝えました。
だけど色というのは、マグカップのような小さい物で見たときと、クルマのような大きな物に塗ったときとでは、目に映る印象が変わってくるともききますし、いったい仕上がりはどうなるのか、納車までとても気がかりだったのですが、やってきたクルマは私のイメージ通りの色になっていて、とても感激でした!
また、内装の色についても、お店の包み紙を送って、「この色を使ってデザインお願いします。配色は田中さんにおまかせします」と伝えました。こちらも、私のイメージどおりの仕上がりでとても満足しています。田中さん、どうもありがとうございます。

実は、「(デザインは)お任せします」というのは、私にとっては、やりがいがあると同時にプレッシャーをも感じる難しい注文です。
時には、「おばあちゃんへのプレゼントとして買います。おばあちゃんは、氷川きよしが好きなので、何となく、そんなかんじで仕上げてください」といった、ものすごい注文も来るのです。
今回は、南さんが、お花屋さんということで、ストレートに、お花畑をイメージしてみました。気に入っていただき、うれしく思います。
「ずっと軽自動車に乗ってます」

― 南さんのクルマ歴を教えてください。
最初のクルマはスズキ・アルトの中古。学生時代、免許を取った時に、通学の足として、親に買ってもらいました。特にクルマにこだわりもなかったので、経済性を考えて軽自動車にしました。
二台目のクルマは、26歳の時に買ったダイハツのネイキッドです。その頃は、すでに独立開業を真剣に考えていたので、「後ろ座席に花がたくさん積めること」を条件に選びました。そうなるとネイキッドのような四角いクルマが良いです。丸っこい車種だと後部の収納力が高くありませんから。
― 収納力を基準にするのなら、ホンダ バモスなどバンにする手もあったと思うのですが。
バモスは見た目がかわいくないから、パスしました。個人的にはレトロっぽい見た目が好きなんです。このネイキッドは、お店グルマとしては7年間、乗り続け、徹夜明けのつらい時をはじめ、ずっと苦楽をともにしてきました。でも10年も乗り続けると、さすがにガタが来て、お店クルマとして使い続けるのは難しくなったのです。
そんな折、銀行から融資が受けられるなど、お金のメドがついたこともあったので、よし、この際、SnowDropのイメージアップのためにも、お店クルマを新しくしようと決めました。
だけど、思い出深いネイキッドは、廃車にするのは、どうにも忍びなかったので、モデストさんに相談したところ、10年落ちの軽であるにも関わらず、下取りして引き取ってくださいまして、そのことは本当に感謝です。
「ルノーのKANGOOやワーゲンバス仕様にも目移りしたのですが…」

最初はワーゲンバス仕様にも心惹かれた
― お店クルマを新調するにあたり、車種の選択はどんなふうになさいましたか。
最初はルノーのKANGOOがいいなと思ったんです。KANGOOはフランス車だし、形も好きだし、後ろに荷物もたくさん積めそうだし、だいぶ気持は傾いたのです。でも価格が高いし、けっこう故障するらしいし、その時の修理も面倒らしいと聞いて、それじゃ私にはムリかなあと思い直しました。私は、クルマのメカにはまったく興味はないし、エンジンのボンネットなんて開けたこともないし、開けたいとも思いませんから。それにお店で使うお仕事用のクルマですから、故障して使えなくなるクルマは、やっぱりダメです。
そんな時、気になったのが、町を走っているワーゲンバスでした。見た目がかわいいので、気に行ったのです。それから、いろいろネットで検索して、見つけたのがモデストでした。
実はそれまで、本物のワーゲンバスとワーゲン仕様との違いも分かってなかったのですが、モデストのホームページを見て、「ほ〜、ワーゲン仕様って、日本の軽自動車がベースなのか〜」と理解できました。
モデストのホームページは、全体に、職人さん的な、まじめさやポリシーがそこはかとなく滲み出ていて、これは「好きを仕事にしている人」のホームページだなと思えました。他社のホームページには、美味しそうな誘い文句が書いてあるのですが、私にとってはモデストのHPの方がより訴えるものがありました。さっそく、資料請求してみました。
― 結局、ワーゲンバス仕様を選ばなかったのはなぜですか。
ベース車が、スバルのサンバーという旧車だと分かったからです。その場合、フランス車ほどではないにせよ、やっぱりメンテナンスには注意しなきゃいけないということなので、じゃあ、私にはムリだと思ってやめにしました。
それから、「正面の顔」「業務用の積載容量」「自分の直感」ということを基準にして、その他のクルマをいろいろ見た結果、よしこれだと思って決めたのが、今回のピコットでした。
「クルマであっても、私には通販の方が合ってます」
― 遠く神奈川県から通販でクルマを買うことに不安はありませんでしたか。
私は田中さんと色々やりとりして、信用できていたので不安はありませんでしたが、融資する銀行のみなさんが、「クルマを通販で買うなんて大丈夫なのか」「納車は振込の後? とんでもありません。ドロンされたらどうしますか?」と不安がって大変でした。でも、何とか説得して理解してもらいました。
私にとっては信用できる会社であれば、通販の方がありがたいのです。クルマの営業マンの人に、初対面であれこれ説明(売り込み)されるのは苦手ですし、そもそも毎日、花屋で忙しいから、クルマのお店に出かけて説明を聞くという、その時間がもったいないというか、取れないのですね。だからモデストのようなオーダーメイドの通販というやり方は私にはとても合っていました。
そうして、2011年の5月に、待ちに待った納車の日がやってきました。地震の直後で、部品やクルマの調達も大変な中、田中さんはいろいろ手を尽くしてくださり、無事納車していただき、本当にとても感謝です。
ピコットはお店のイメージカーとして毎日、大活躍です。内装も好きな色なので、このクルマを運転していると気持が明るくなれます。これからも、このクルマと一緒に、大好きなお花の仕事を、楽しく続けていきたいと思います。重ねて、田中さん、今回は、素敵なクルマを作っていただき、本当に有り難うございました。

「南さん、お店のスタッフ角(すみ)さん、モデスト田中とでパチリ」
(取材日時 2011年11月)
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。